四柱推命には「天徳貴人(てんとくきじん)」という星があります。
多くの本では、
「最強の吉星、天の加護がある、災いを防ぐ」と説明されます。
ですが、なぜその干支が天徳になるのか?
この問いに答えてくれる本は、実はほとんどありません。
もし天徳星が「ただのラッキーマーク」なら、ここまで厳密な規則で決まっている理由がないからです。
実は天徳星は、
👉 季節エネルギーの“過不足を調整する装置”として設計された、非常に科学的な概念なのです。
四柱推命は「運命論」ではなく「循環論」
現代科学では、自然界は
・エネルギーが偏ると不具合が起き
・行き過ぎると必ず揺り戻しが起こる と考えます。
これはそのまま、四柱推命の基本思想と一致します。
四柱推命は、
・地支=季節の循環
・天干=その季節に流れる見えないエネルギー として世界を見ています。
天徳貴人とは、「その季節に、いま最も必要な調整役は何か?」 を突き詰めた結果、生まれた星なのです。
カギは「季節の3段階構造」
12か月は、実は次の3グループに分けられます。
区分 意味 状態
四猛 季節の始まり 生まれたて
四仲 季節の最盛期 エネルギー過多
四墓 季節の終わり 収束・格納
天徳星は、この季節の状態ごとに役割が違うのです。
① 四猛の月:生まれたてのエネルギーを「優しく整える」
【寅・申・巳・亥】
新しい季節が始まるときのエネルギーは、例えるなら「生まれたばかりの子ども」。
勢いはあるけれど、まだ荒削りです。
そこで天徳となるのが、
👉 三合局の「陰の天干」
陰干は、
・柔らかい
・形を整える
・暴走させない という性質を持ちます。
たとえば…
・寅月(火の生) → 丁…→ 火を“炎上”ではなく“灯り”にする
・亥月(木の生) → 乙…→ 木を大木ではなく“草木”として育てる
これはまさに、エネルギーのソフトスタート制御です。
② 四仲の月:ピークに達したエネルギーを「逆から冷ます」
【子・午・卯・酉】
この時期は、季節エネルギーが最高潮。
現代的に言えば「過負荷状態」です。
水は凍り、
火は燃え盛り、
木は伸びすぎ、
金は冷酷になります。
ここで天徳となるのは、
👉 真逆の五行の“始まりの地支”
つまり、ブレーキ役です。
・子月(水極) → 巳(火の始まり)
・午月(火極) → 亥(水の始まり)
これはまるで、
・サーモスタット
・フィードバック制御
・安全装置
四柱推命は「満つれば欠ける」を、最初から計算に入れていたのです。
③ 四墓の月:終わるエネルギーを「最後に輝かせる」
【辰・戌・丑・未】
季節が終わるとき、エネルギーは土に収められ、消えようとします。
しかし四柱推命は、「ただ消す」ことを良しとしません。
ここで天徳となるのが、
👉 三合局の「陽の天干」
陽干は、
・本質
・中心
・象徴 です。
・戌月(火の墓) → 丙…→ 消える火を「太陽の輝き」として残す
・辰月(水の墓) → 壬…→ 籠もる水を「恵みの雨」として放つ
これは、次の季節へ命を引き継ぐための最終演出なのです。
結論:天徳星とは「自然界の免疫システム」
天徳貴人は、
✔ 幸運を呼ぶ星 ではありません。
✔ 偏りを修正する星
✔ 行き過ぎを防ぐ星
✔ 終わりを次につなぐ星 です。
現代科学で言えば、
・自浄作用
・ホメオスタシス
・バランス調整機構 そのもの。
天徳星が月支から決まる理由は、ただ一つ。
「今この季節に、自然界が最も必要としている調整因子は何か?」
この問いに、2000年前の叡智が真剣に答えた結果なのです。
四柱推命は、迷信ではありません。
自然と人間を同じ法則で見た、最古のシステム思考なのです。